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第39話 石破天驚拳! 決闘マスター・アジア




アレンビー:うああああああっ!

ドモン:どうした、アレンビー!

アレンビー:えああああああっ!!

ドモン:グラハムゥーッ!

アルゴ:アレンビィー!

アレンビー:うああああああっ!

ストーカー:さて、大変な事になってしまいました。 アルゴ、グラハム組対、ドモン、アレンビー組のタッグマッチは、ウォンの企みによって、大混乱の内に幕を閉じたのです。 そして、彼とマスター・アジアの間で生じ始めていた不協和音も、これで一挙に表面化しそうな雰囲気です。 果たして、両者の間に、何が起きるのか! それでは! ガンダムファイト! レディーゴー!!



サブタイトルコール:石破天驚拳! 決闘マスター・アジア



ドモン:アレンビー! アレンビィーッ!!

レイン:一体、どうなっているのよ! はあっ! ドモン……

ドモン:俺は大丈夫だ…… しかし……!

アレンビー:うっ……

レイン:バーサーカーシステムね。

ドモン:そのようだな……

アルゴ:ドモン! 手を貸してくれ!

ドモン:はっ…今行く! レイン! アレンビーを頼むぞ!

レイン:任せて!……はっ! 救護班! あっあのっ…… あのっ、一緒に行きます。

救護班:それには及びません!

レイン:でも、私医者なんです。

救護班:我々にお任せください! さあっ急ぐぞ!

レイン:ちょっと待って! グラハムがまだ!

救護班:追って別班が着ます!

レイン:はっ……

マスター・アジア:どういうつもりだぁっ! 危うくドモンを殺してしまう所だったではないか!

ウォン:我々の目的はより強いファイターを特定する事です。 ドモンが敗れたなら、彼を倒したファイターに標的を変更するだけの事ではありませんか?

マスター・アジア:ふんっ……お前に真の強さがわかると言うのか?

ウォン:あなたは必要以上にドモンに肩入れしている。 やはり師弟の縁は絶ちがたいと見えますな。

マスター・アジア:くだらん! 奴とワシは、かたき同士だ!

ウォン:ならば、残った最後のカードにも、反対はなさらないはずですね?

マスター・アジア:ふうん…… しかしこやつとドモンは共に全勝同士。どちらもバトルロイヤルへの進出は間違いなかろう。今さら対戦させても……

ウォン:だからこそ面白いんです。

マスター・アジア:だがシュバルツの正体が、もし奴に間違い無ければ…… 今のドモンに勝ち目はない……

院内放送:ドクターチェン、至急オペルームへ! ドクターチェン、至急オペルームへ!

アルゴ:グラハムの手術は成功した。だが、ファイターとしては再起不能だそうだ。

ドモン:そうか……

レイン:ドモン!

ドモン:アレンビーの病室はわかったのか?

レイン:それが……ここには収容されてないの……

ドモン:なにぃっ? どう言う事だぁっ!

レイン:はぁっ!

ホルベイン:ドモン・カッシュ!

ドモン:貴様ぁっ!!

ホルベイン:うああっ!

ドモン:なぜアレンビーのバーサーカーシステムを作動させたっ!

ホルベイン:違う! システムを作動させたのは我々ではない!

ドモン:んんーっ……

★ドモン:どういう事だっ!

★ ホルベイン:ゴホッゴホッゴホッ! 何者かが同じ装置で、アレンビーを操ったのだ!

レイン:なんですって!?

ホルベイン:アレンビーはシステムの開発者、ベルイマン博士と共に、行方不明になった…… 二人はシステムを作動させた何者かに、誘拐されたとしか考えられん!

ドモン:誘拐!? どういう事だレイン!

レイン:ええっ……?

ドモン:アレンビーはお前に任せたはずだ! なのに、なぜ一緒についててやらなかったんだ! なぜアレンビーを一人にした! なぜっ!!  お前は救護班が本物か確かめなかったのか! どうなんだ! レイン! どう見ても本物に見えただと!? だから任せてしまったのか! お前は前に言ったな! 一度引き受けた患者は絶対に見捨てないと! あれは嘘だったのか!! ならお前は医者失格だ! お前に俺のクルーをする資格は無いっ!

レイン:ああっ……

ドモン:ええぇい……

レイン:どこ行くの!?

ドモン:付いてくるなぁっ!

レイン:あああっ!

アルゴ:ドモン!

ドモン:うるさいっ! アレンビーを探すのは俺一人で充分だ! 一人で充分だ……!

ホイ:ドモン兄ちゃん、遅いねぇ。

レイン:はぁっ……

ホイ:どっかで迷子にでもなってんのかな?

ミン:ふうっ…… 大丈夫よ兄ちゃん強いもん。一人だって心配無いよ。

レイン:そうね…… あなたは一人でも、いえ、一人の方がきっと……

ホイ:お姉ちゃん……

ドモン:アレンビー、どこへ行った…… 一体誰が、何のためにお前を連れ去った……

風雲再起:フフーン!

ドモン:ん? お前は……風雲再起! お前の主人はどうした? どうしてここにいるんだ?

風雲再起:フフーンフンフン! フーッ フフーッフフン!

ドモン:俺に乗れって言うのか?

風雲再起:ヒヒーッヒヒヒヒヒン!

ドモン:ふっ……

風雲再起:ヒヒーッヒヒヒヒヒヒン!

ドモン:うおっ! うあっ……! 一体どこへ連れて行くつもりなんだ!?

風雲再起:ヒヒーッヒヒヒヒヒン!

ドモン:こうなったら、腹をすえるか…… んん? ここは…… お前は来ないのか?

風雲再起:フフーンフンフン!

ドモン:わかったよ。 ここからは一人で行こう。 んんっ!? こんな場所が、ネオホンコンの近くにあったなんて……

マスター・アジア:ドォモン!

ドモン:んんっ!? 東方不敗! やはりあんたか!

ウォン:マスター・アジアがドモンと接触した?

男:北東部の島におります。

ウォン:やはりな…… ガンダムヘッドを出せ!

男:しかしマスター・アジアが!

ウォン:構わん…… 万一あの老人が生き延びても、やっこさんが私がガンダムヘッドを操れる事を知らない。 なんとでも言いつくろえる。 ふっふっふっふっふっふっふっ

マスター・アジア:ドモン! 何を呆けておるか! 声をかけられるまでワシの存在に気付かぬとは! 未熟千万! そんな事でガンダムシュピーゲルに勝てるとでも思っているのか!

ドモン:ガンダムシュピーゲル!? すると、俺の次の相手はシュバルツなのか!

マスター・アジア:左様! だがシュバルツに倒される前に、このワシが倒してくれるわぁっ!

ドモン:何をぉっ!!

マスター・アジア:ふあああっ!! 逃さぁぁぁぁぁんっ!

ドモン:ふっ! ふっ!

マスター・アジア:ドモン! 底無しの泥の海に落ちるがよい!

ドモン:おのれぇーっ……!! はっ! ガンダムヘッド!?


(アイキャッチ)


ドモン:ガ、ガンダムヘッド!

マスター・アジア:まさかウォンめ!

ドモン:くっ、東方不敗! これもあんたの仕業かっ!

マスター・アジア:バカを言えいっ!

ドモン:なら他に誰が……ぬああああっ!

マスター・アジア:ドモォンッ!

ドモン:うああああっ!

マスター・アジア:未熟者ぉっ! ふあああああっ!

ドモン:うおおっ……うあっ! 東方不敗……

マスター・アジア:気を抜くなっ!

ドモン:ふっ!

マスター・アジア:んっ! なんとぉっ……

ドモン:ぐああああっ!

マスター・アジア:ぶはっ! ゴホッゴホッゴホッ! んっ?

ドモン:はっはっ…… 東方不敗……

マスター・アジア:うろたえるでない! ここは昔、本土とこの島をつないでいた地下通路。 ゆくぞ!

マスター・アジア:うおっ……ん……

ドモン:どうした?

マスター・アジア:落ちた時脚をやられたようだ。 なぁにたいしたことは無い。それより……んんーっ…… ここを登るしかないか……

ドモン:東方不敗! さっきはなぜ俺を助けた。

マスター・アジア:ふんっ! 助けたわけでは無いわ! お前を倒すのはガンダムヘッドでは無く、このワシだ!

ドモン:ならばぁっ……

マスター・アジア:慌てるな。今ここでやり合っては共倒れだ。

ドモン:そうだな…… こうしてはいられないな…… ガンダァァァァッ!!

マスター・アジア:やめいっ!

ドモン:ああっ……

マスター・アジア:こんな所でガンダムを呼べば、ワシらはガレキの下敷きになるだけだ。そんな事もわからんのか!

ドモン:じゃあ、どうすると言うんだ!

マスター・アジア:このまま本土まで歩く。地上に出るまで一時休戦だ。いいな……

ドモン:あ、ああ…… あっ?

マスター・アジア:ワシはこの脚では跳べぬ。 お前が先に、あそこへ行き、そいつでワシを引き上げてくれ。

ドモン:あんたを置き去りにするかも知れんぞ?

マスター・アジア:ふっ……

ドモン:何がおかしいっ!

マスター・アジア:早くせんかっ! さあどうするっ! 貴様のグズは、まだ直っておらんのか!

ドモン:ふんっ! ふっ! ふっ! はっ! んん…… なあ師匠…… あ……んっ…東方不敗。 なぜあんたがデビルガンダムに襲われるんだ。 あんた、あいつらの仲間だろ。 それに、このあんダムファイト決勝大会で、一体何をする気なんだ。

マスター・アジア:どけっ!

ドモン:しまった、ふさがれたっ! んっ!?

マスター・アジア:ふあぁぁぁぁぁぁあああああっ!! 覚えておるかドモン? 以前にもこんな事があった…… そう、そしてあの時も、この流派東方不敗、最終奥義を放ったはず。 その名はっ! 石破っ! 天驚けぇぇぇぇんっ!!

ドモン:これはっ! 覚えている、覚えているぞ! あの時も同じだった…… 俺は、この人に助けられたんだ……

狼:ううううっうっううううっううううっ……

ドモン:修行の旅の途中、師匠とはぐれてしまった俺は、狼の大群に囲まれてしまった…… あの時俺は、狼に恐怖し、何もできなかった……

修行ドモン:うああああああああっ!!

狼:ヒンヒヒンヒンヒンヒン! ヒンヒヒンヒンヒンヒン!

修行ドモン:師匠!

マスター・アジア:馬鹿者っ! 武闘家たる者、いっときたりとも拳から気を抜くものでは無いわぁっ! でなければ、この石破天驚拳、習得するなど、夢のまた夢ぇーっ!

ドモン:師匠……

マスター・アジア:ついにこの技だけはお前に伝えられなかった…… お前はあの頃からまるで変わっておらん。 目先の事にとらわれ、すぐに心を乱し、一番大切な事を見失う…… 無駄話がすぎたな…… 急ごう…ぐうっ! ドモン:おっああっ!

マスター・アジア:おおっ…… す、すまんな……

ドモン:無駄口を聞いてる暇は無いんだろ? 行くぞ!

マスター・アジア:よく見ておけドモン。 地球上で最大の繁栄にわく街。そのもう一つの顔がこれだ。世界中、どこもかしくも破滅は確実にせまっている。 しかし人々は、それに目をそむけ知ろうともせず、ガンダムファイトに浮かれている。 人間とはつくづく救いがたい生き物だとは思わんか? 人間など、もはやこの地球には無用の存在! だからこそ、だからこそこのワシは!

ドモン:んん…… ええええい……またかっ!

マスター・アジア:ドモン、力を貸せっ!

ドモン:えっ?

マスター・アジア:ワシにはもう石破天驚拳を撃つ力は残っておらぬ。んっ! 時間が無い、急ぐのだ! 一挙に突き破るぞぉっ!

ドモン:うんん……!

ドモン&マスター・アジア:はぁぁぁぁぁぁぁっ! とおおおりゃああっ!

マスター・アジア:うっうう……

ドモン:大丈夫かっ!

マスター・アジア:どうやら命拾いしたようだな…… だが気を抜いてはいかんぞ……

ドモン:おおっ! 先回りしていたのか……! ガンダァァァァァァムッ!

風雲再起:ヒヒーーーンッ!

マスター・アジア:来たか風雲再起! 我が脚となって闘えぇっ!!

風雲再起:ヒヒーッヒヒヒヒン! ヒーッヒヒヒヒン! ヒーッヒヒヒヒン!

マスター・アジア:おおりゃああああっ!

ドモン:お見事っ!

マスター・アジア:気を抜くなっ! ドモン、行ったぞ!

ドモン:おおっ…… こっのおおっ! ぐあっ!おおおっ!

マスター・アジア:ドモン、石破天驚拳、今こそ撃って見せいっ!

ドモン:うう…… はぁぁぁぁぁっ…… 流派! 東方不敗っ! 最終奥義っ!! 石破っ! 天きょぉぉっ拳っ! で、できた……

マスター・アジア:ドモンよ…… 流派東方不敗、最終奥義石破天驚拳。 確かに伝授したぞ……

ドモン:師匠……

その技あらばガンダムシュピーゲルとの闘いにも、遅れはとるまい。

ドモン:待ってください! 俺はまだ師匠に聞きたい事がっ!

マスター・アジア:よいかっ! この廃墟と化した街をっ! 人類の黄昏の光景をっ! 胸に刻んでおけっ! バトルロイヤルであおうっ!

風雲再起:ヒヒーッヒヒヒヒン!

ドモン:人類の黄昏…… し、師匠…… ししょぉぉぉぉぉぉぉっ!

ミカムラ:最終チェックを急げ! ウルベ少佐が戻ってくる前に、使えるようにしておくのだぞ。

カラト:やれやれ…… ゴッドで精一杯だと言うのに何のためのガンダムなんだ。 これは……

ミカムラ:そうだ。これはラインを迂回して……

カラト:ミカムラ博士! あんたの娘、レインが……! 辞表を出しおったぁ!!

ミカムラ:……なんですってぇ!?



(次回予告)


みなさんおまちかねーっ! 決勝リーグ戦注目の大一番! 全勝同士のドモンとシュバルツが、金網爆弾リングで火花を散らすます! しかし驚いた事に、レインはネオドイツのクルーとして姿を見せたではありませんか! 機動武闘伝Gガンダム!「非情のデスマッチ! シュバルツ最終決戦」にぃー! レディィィ…ゴー!


第40話「非情のデスマッチ! シュバルツ最終決戦」へ

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