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第6話 闘えドモン! 地球がリングだ




住職:はてさて60年前… スペースコロニーへと人が上がって以来、京都でさえこのようなありさま。とはいえ、茶ぐらいお出しせねばバチがあたりましょう。しかし、このような荒れ果てた寺でお待ち合わせとは…

ドモン:ふっ… ちょっと来るのが早すぎたかな…

住職:いーえ。どの道レインさんはおいでになります。

ドモン:なにぃ! はっ…う…うう…

住職:ふっふっふっ

ドモン:お前、何者…!

ストーカー:さてみなさま… 今日はいよいよこの写真についてお話する事になりました。果たしてこれは誰なのか。そしてなぜドモン・カッシュはこの男を追うのか… すべての答えは今日の対戦相手で史上最強のデビルガンダムが教えてくれるでしょう。それでは! ガンダムファイト! レディーゴー!!



サブタイトルコール:闘えドモン! 地球がリングだ



ウルベ:第1小隊、第2小隊! エリアAからFを! 第3小隊から第5小隊エリアGからLをかため! いいか! 奴が一瞬でも姿をあらわした時が唯一のチャンスだぞ! 絶対に外すな! 撃てー!! やったぞ…! ああ… ああ… ま、まさか… ぬお… デ…デビルガンダム…ぐ…くぁぁ…

カラト:もう1年も前になるのか…

ウルベ:はい、ようやくこの辺りも復興し、今では面影も残っておりません…

カラト:んん… 確かにあの事件を他のコロニー国家に知られるわけにはいかん…しかしそのためにガンダムファイトを利用されては困るのだよ。

ウルベ:申し訳ありません… カラト委員長。ですがご覧下さい。ドモンはまもなく目が覚めるでしょう。そう彼がこれから見る幻想は長い武闘の修行から帰ったその日の出来事です。

キョウジ:ドモン…ドモン…ドモン…起きろよおい。いつまで寝てるんだ? ふふっ

ドモン:ああっ… 兄さん! 兄さんじゃないか! 兄さん!

キョウジ:たくましくなったな…

ドモン:ほんとに…ほんとに久しぶりだね…

ライゾウ:おかえり。

ドモン:あっ… 父さん! 母さん!

ミキノ:ちゃんとご飯食べてた?

ドモン:ただいま…父さん母さん!

ミキノ:フッフッフッ…

カラト:大丈夫なのかね ウルベ君。

ウルベ:と、申しますと?

カラト:いいかね? 大会期間中は地球へ降り立った者をコロニーに戻してはいかんというガンダムファイト国際条約をおかしてまで行う価値があるテストとは思えんのだよ…

ウルベ:ご心配はごもっともです。ですが、あのドモン・カッシュが今回の事件を解決するのに最適な人物である事を、立証できるのです。

レイン:お久しぶりね。ドモン。

ドモン:レインか…

キョウジ:忘れたのか? お前が家を出るまでいつも一緒に遊んでいたレインじゃないか。 きれいになってびっくりしてるんだぁろぉ。このぉ〜。

ドモン:ああっ…

キョウジ:はっはっはっはっはっはっはっはっ

ドモン:もう…ん…

キョウジ:確かに、お前はこの家を10年もの間留守にしていた…

ドモン:でも、その間に手にしたのはこのキング・オブ・ハートの称号さ!

キョウジ:そっか… 俺の弟がコロニー格闘技の覇者になったんだ。

ミキノ:なんていったかしら? あの先生。

ドモン:マスター・アジア。 そりゃあ強い人だったさぁ。なんせコロニー格闘技五天王のシャッフル同盟の頂点に立つ人。人呼んで東方不敗! 先代のキング・オブ・ハートさ! でも、いきなり俺に称号を渡すなり、どこかへ消えちまったんだ。

キョウジ:そんな事よりドモン! 父さんと俺も完成させたんだぞっ!

ドモン:ていうと…アレを?

ライゾウ:うむ。良ければ後で見せるよ。

ミキノ:あなたいいじゃないそんなの。 今日はドモンが修行から帰って来たお祝いよ? だからお仕事の話はやめましょう。 でないとまたあの時の事…

ドモン:ありがとう母さん。 上手いよ! やっぱ母さんの作る料理が最高さ!

ミキノ:だったらもうずっとここにいてよ。またあなたが出て行ったら母さん寂しいわ。

ドモン:大丈夫! もうどこへも行かないさ! やっぱり母さんたち家族と一緒にいるのが、一番幸せだよー!

キョウジ:そんな事言って本当は修行してるあいだも母さんが恋しくて仕方無かったんだろ?

ドモン:兄さんもう子供じゃないんだからさ。

ミキノ:母さんから見たらまだまだ子供よ。

ライゾウ:確かにな。

ドモン:もう。

ドモン:キョウジ&ライゾウ&ミキノ:はっはっはっは!

レイン:ひどい…いくらなんでもひどすぎるわ!

カラト:幻覚による深層心理テストは結構だが、こんな事では…

ウルベ:いえ、ご心配なさらずとも、いよいよあの日のようにデビルガンダムの登場です。

ミカムラ:レイン! どうして勝手にあそこを出た!

レイン:お父様! 私はもう嫌よ! いくらなんでもこれじゃドモンがかわいそうよ!

ミカムラ:はぁ… 私もすまないと思っている。だがこれも刑罰の一つだと思うしかあるまい。

レイン:どうして! ドモンは何もしてないわ!

ミカムラ:いいかい? 我々としては、どのような事をしても、ドモン君にガンダムファイトを続けてもらわなければならないのだ。 だがな、カラト委員長は今地球がどのような危機におちいっているのかまったく気にせず、ファイトの優勝を手柄に、ネオジャパンの首相の座を狙う事しか考えておらん! レイン! テストはこれからが重要ポイントだ。 だがな、私にはカラトの様子が気になる… いいか?

レイン:うん…

ドモン:へぇー

ライゾウ:どうだ?ワシとキョウジで作り上げたガンダムは。そう、このガンダムには人類の未来がかかっている。 ドモン:人類の未来?

キョウジ:そうだ!人類の未来だ! この一体のガンダムさえあれば、なにもかもが可能だ。なにもかもが…

ドモン:兄さん?

キョウジ:ん?

ドモン:どういう事?それ?

キョウジ:いや!なんでもない。

ライゾウ:これは! どうした!

ミキノ:あなた!

隊長:カッシュ博士! ならびにキョウジ・カッシュ! 二人を国家反逆罪の疑いで逮捕する。

ドモン:なんだって!

ライゾウ:待て! 一体何の事だ!

隊長:お前たちは、その完成したガンダムを兵器として使用し、この宇宙のコロニー連合と地球を破壊した上、制圧しようと計画している。

ライゾウ:そんな馬鹿な!

ドモン:兄さん?

キョウジ:ふっふっふっふっふっふっ 意外に早い対応だったなぁ…軍警察の諸君!

ドモン:ええ!?

キョウジ:ドモン! そいつらの言っている事に間違いは無い。

ライゾウ:お前本気か!

キョウジ:悪いねぇ… 父さん! でもこのガンダムは、もう俺の自由に出来るんだ。 こんな風にね!

隊長たち:うおおおお…

ライゾウ:おおお…

ドモン:兄さん!

キョウジ:撃て!

隊長:どもうあああああ…

キョウジ:はっはははははははははは!

ミキノ:キョウジ…キョウジ! やめて、お願いだから。ねっ? キョウジ。これは何かの間違いでしょ? ねっ?

ドモン:母さん!危ない!

ミキノ:ええっ? キョウジ! ああっ!

ドモン:母さぁぁぁんっ!!


(アイキャッチ)


ドモン:か…母さぁぁぁん!!

ライゾウ:お…お前っ!

ドモン:か…母さん!? んあ… 兄さん! 母さんが!母さんが!母さんが! 母さん… くう…

ウルベ:確かにこれは我々の記録によって作り出された幻覚であり、彼はこの現場には居合わせておりませんでした。ですが、ドモンは入れ違いのようにここへ帰って来ていました。

ミカムラ:すまないこんな事になってしまって… 父上の親友として本当に申し訳ない… ネオジャパン政府は残った父上を共同犯罪とみなし、永久冷凍刑としたのだ…

ドモン:ど…どうして!

ウルベ:私たちも頑張ったのだが死刑をまぬがれただけで精一杯だった。それにデビルガンダムは何事も無かったように地球のいずこかへと落ちて行ったのだ。いくら奴でもあの落下スピードだ。無事ではあるまい。 事件は終わったと思えた。 だがそれは始まりでしかなかった。その後の調査で大変な事がわかった。そう、たとえ大気圏突入のおり大破していようともその自ら持つ自己増殖、自己再生、自己進化の三大理論機能により、あれは再び立ち上がり、キョウジ・カッシュはその能力を発揮して、破壊の限りを尽くすに違いない。しかも現在、地球の統治権がネオホンコンにある以上、うかつには手を出せない。 そこでだ! 君にガンダムファイターになって欲しい。

ドモン:え?

ミカムラ:いいかね? 私の計算では奴が地球で完全再生するまでに1年はかかる。

ウルベ:そしてその年はおりしも4年に一度のガンダムファイトの年。この時ならば、地球を自由に動く事が出来る。それを利用して奴を追い詰め、捕獲して欲しいのだ!でなければ全てはこのままだ! ドモン君…やつを捕らえる事ができるのはキング・オブ・ハートの君しかいないのだ!

ドモン:と…父さん… 俺は…兄さんを… 兄さんを…! 兄さんを!!

ウルベ:カラト委員長!

カラト:もう充分だ。こんな事がなんになる!

ウルベ:ですが、ファイトに優勝するためにも彼の強い意志が必要なのです。

カラト:ではこれまでの成績不振はどうだ? ガンダムマックスター、ドラゴンガンダム、ガンダムローズ、ボルトガンダム! この中にはみすみす勝ちを逃したものもある!

ウルベ:それは、ファイトの結果、兄キョウジとはなんの関係もないとわかったからでしょう。

ミカムラ:加えてそれらの対戦相手をドモン君に指示したのはデビルガンダムの一件に感ずいているだろうと思える国を、先に叩いてしまうためだったのです。

ウルベ:ですが、結果裏目に出てしまった…その非は認めましょう…

カラト:ならこのテストはワシのやりかたで答えを出させてもらおう。

ウルベ:え?

ミカムラ:なんですと? こ…これは!

ウルベ:何をする気ですか!

カラト:簡単だよ君。彼が兄を目の前にした時、果たして本当に倒す事ができるのか。兄を敵として、討てるのかどうか。それを実験するのだよぉ!

ウルベ:くぅ…

カラト:もちろんこれは実戦だ。 ドモン・カッシュは本物のシャイニングガンダムに。そして対するのはMA、ファントマを使う。だが彼には幻覚によって、本物のデビルガンダムにしか見えない。

ドモン:うおおお… うおおお!

カラト:実験にしては面白すぎるかな? まあ安心したまえ。ドモン君にもしもの事があっても、代わりはワシの力で特例を持って、ファイター交替を国際委員会に認めさせてやるよ…

ウルベ:ん……

カラト:さぁぁて… 闘えるかな? 奴を相手に…おっと失礼。君はあの時、震えるばかりで何もできず、大破したファントマと共に、仮面の下の傷を受けたんだねぇ… ふはははははははっ! いやー失礼失礼! ははははははは!!

ミカムラ:やはり何か仕掛けてくるとは思っていたが…

ドモン:どぅあああああ…!! 兄さん!?

レイン:悪いけど…眠っててね…!

ドモン:やめてくれ兄さん!

キョウジ:ふっはっはっはっはっはっはっはっ! ドモン!今なら間に合う!シャイニングガンダムを降りろ!

ドモン:兄さん…

キョウジ:兄を撃つのか?

ドモン:はぁっ!

キョウジ:ふっ!

ドモン:兄さん! はぁっ ぐあっ ぐああっ!

キョウジ:ふははははははははは!!

カラト:ははははははははは!! さあとどめを撃て!

ドモン:はあ…!

レイン:間に合ったわ…でもっ はぁっ! はあああっ!

ドモン:あああっ… あれは… うわあああああああ…!!

ミカムラ:救護班、娘を早く!

カラト:まったく情けない。

ミカムラ:いや、よくご覧下さい。

カラト:なに? んんっ!

レイン:はっ…ドモンッ!

カラト:ガンダムが光っている… なぜだぁぁ!!

ドモン:兄貴ぃ! いやキョウジィ! 俺はお前を許さない! 母を死なせ、父をはずかしめたお前を! 絶対に、許さないっ! はぁぁ… ふん! ふんふん! ふん!

レイン:あれは…

ウルベ:ご覧下さい。あれこそが我々のシャイニングガンダムの真の姿!

カラト:真の…姿だとぉぉ!

ミカムラ:そうです。彼の異常なまでの怒りが頂点に達した時、その感情がエネルギーとなり、最大パワーを発揮できる、あの姿へと変形できるのです。

ウルベ:つまり。このネオジャパンのシャイニングガンダムを本当に使いこなせる者は、兄への復讐を誓った、ドモン・カッシュただ一人だけなのです!

ドモン:俺のこの手が光って唸る! お前を倒せと輝き叫ぶ。 喰らえっ! 愛とっ!怒りとっ!悲しみのぉぉぉ! シャイニングフィンガァァァ… ソォォォォォォォォォォドォ!! メン! メン! メェェェェェェェーン!! カラトォ! いいか! 2度とこんな小細工はするな!

ウルベ:ドモン君! いつの間に幻覚から!

ドモン:いいか! これからは黙って見ていろ! 俺は必ずキョウジを追い詰め、デビルガンダムを倒す! この手でな!

カラト:ふっええーい!後は好きにすればいい!

ドモン:レイン。帰るぞ地球へ… いや、リングへだ!

レイン:ええっ!

ドモン:父さん… 待っててね…

ウルベ:今回は危なかった… しかし、どんな妨害があろうと、あのデビルガンダムをほおっておけない。その為に、あなたのお嬢さんにも悲しい思いをさせています。 ですが…我々の思いは一つ。

ミカムラ:はい…



(次回予告)


みなさんおまちかねーっ! 太陽輝くネオメキシコで、ドモンはある男に命を狙われます。男の名はチコ・ロドリゲス。彼はガンダムファイターをやめるため、国家の追手やチボデーの命も狙うのです。 機動武闘伝Gガンダム!「来るなら来い! 必死の逃亡者」にぃー! レディィィ…ゴー!


第7話「来るなら来い! 必死の逃亡者」へ

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